あらすじ
\ この絵本の特徴はこの3つ!/
- 少し怖い雰囲気のブラックユーモアと意外なハッピーエンド
- 「ごはんの力」を感じる!?料理の魔法
- 人食い鬼の迫力とゼラルダの愛らしさ、鮮やかなウンゲラーらしいイラスト
人食い鬼が人間を食べてばかりいる国で、美味しい料理を作る少女ゼラルダが登場します。鬼が病気で倒れたところをゼラルダが助け、看病しながら得意の料理をふるまいます。鬼は次第に人間を食べたい気持ちが消え、ゼラルダと幸せな家庭を築いていく…という意外な結末のお話です。
読んで感じたこと|鬼なのに人の顔!?ちょっと違和感

人喰い鬼が子どもを食べるなんて、なんとも衝撃的な設定。
「風刺と毒気のきいたウンゲラー作品」としてはまさに王道ですが、大人は「一体これは何の風刺なんだろう?」とつい考え込んでしまいます。
ただ「一番ひどいことをするもの=鬼」と捉えると、この設定に妙な納得感が生まれました。ウンゲラーはやはり、きれいごとでは済ませない強烈なインパクトを残す作家だと改めて感じます。
ゼラルダと料理の描写がユニーク
ゼラルダは6歳にして煮たり焼いたり揚げたり蒸したりと、立派な料理人ぶり。
一方、父親は体が動かず目もかすむ様子なのに「りんご団子を食べすぎて気分が悪い」と言うあたりが、なんだかちょっと偏屈な人となりがよく出ていて、またゼラルダへの同情をさそいますよね。
農場の作物を子どもがひとりで町に売りに行くなんて、現代では考えられませんが、かつては労働力として子どもが当たり前に働いていたのだろうと想像させられました。
そんな状況のなかでも、ゼラルダは毅然と鬼に料理を振る舞うのですから、なんてしっかりした少女なのでしょう。
美味しそうな料理とユーモラスな挿絵
いろいろハラハラさせる場面は多かったものの、物語に登場する料理はどれも魅力的で、読んでいるとお腹が空いてきそう。
なかでも「七面鳥の丸焼きシンデレラ風」がハイヒールを履いている場面には、思わずキュンとさせられます。
ユーモラスで遊び心ある挿絵は、ウンゲラーらしい魅力のひとつです。
本当に鬼の心は変わったのか?
物語の最後は「末永く幸せに暮らしました」と締めくくられます。
けれど、赤ん坊を抱くゼラルダのそばで、子どもがフォークとナイフをこっそり隠し持つ絵が描かれており、どこか「まだ続きがあるのでは?」と思わせる余韻が残ります。
「過去の悪事はそう簡単には消えない」というメッセージが込められているのかもしれません。
気付いた人だけが受け取れるその含みこそ、ウンゲラーらしいブラックユーモア。
めでたしめでたしで終わらせない力強さを感じる一冊でした。
楽天・Amazon・絵本ナビ・読書メーターのレビューより
4つのサイトのレビューから、この絵本の魅力をぎゅっと整理しました。
楽天レビュー
読者の声安心一辺倒ではなく、
「懐かしいのに引っかかる」感覚まで含めて愛されている絵本
- 子どもの頃に読んだ記憶が残り、大人になって読み返す人が多い
- 挿絵や料理の描写が強く、何度読んでも印象に残る
- ハッピーエンドではあるが、「これでいいの?」と戸惑う声も少なくない
- 子ども自身は怖さ・驚きごと含めて楽しんでいる様子が多い
Amazonレビュー



年齢が変わっても「記憶に残る」タイプの絵本
- 幼児でも怖さを含めて夢中になって読むという声が多い
- 成長してからも印象に残り、プレゼントに選ばれることも
- 読み聞かせ・自分読みのどちらでも成立している
レビュー



親子で受け取り方の差が自然に生まれる一冊
- 子どもは物語を素直に受け取り、ハッピーエンドに安心
- 大人はラストの挿絵(ナイフとフォーク)に気づき、深読み・・
- 読み終えたあとに「内緒にしておきたい解説」が生まれることも



「好き/苦手」が分かれても、考えさせられる力の強い絵本
- 物語構成やユーモアは評価されている
- 一方で、倫理的なモヤモヤを感じる大人も多い
- 子どもは楽しめても、大人になるほど考え込んでしまう
こんなときにおすすめ
- いつもと少し違う絵本を読みたいとき
「かわいい」「やさしい」だけでは物足りなくなってきた頃に。
ドキドキする導入と、予想外の展開が新鮮です。 - 子どもが“怖い話”に興味を持ち始めたとき
怖さはあるけれど、最後まで読める構成。
ホラーが苦手な子でも、料理の場面で空気がやわらぎます。 - 読み終わったあとに親子で話したいとき
「これって本当にハッピーエンド?」
「どう思った?」と感想が分かれやすく、自然と会話が生まれます。 - 料理や食べものが好きな子に
七面鳥の丸焼きやデザートなど、
見ているだけで楽しい“ごちそうの絵”がたっぷり登場します。 - 海外の絵本らしい価値観に触れたいとき
日本の昔話とは違う終わり方に、
文化の違いや考え方の幅を感じられます。
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