あらすじ
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この絵本の特徴はこの3つ!/- 雲と女の子の“対話”のようなモノローグが広げる想像の世界
- 油彩ならではの重厚な色彩と光で描かれる、移ろう空と雲の表情
- 言葉少なめで余韻を残し、4歳から大人まで楽しめる静かで熱い作品
空に現れる大きなくも。その姿を、ひとりの女の子がじっと見つめています。
晴れの日も、雨の日も、夕暮れや嵐の夜も……「くもはなにを考えているのかな?」「楽しいのかな?」「友だちになれるのかな?」と、女の子は心の中で問いかけます。
雲を見つめるまなざしを通して、普段何気なく眺めている空が、少し違って見えてくる──そんな静かで深い時間を描いた絵本です。
読んで感じたこと

しおたにさんの絵本にハマっているのは、まぎれもなく私自身です。これまでは木炭鉛筆で描かれた黒の世界が広がっているのに、その黒には温度があり、ストーリーを丸ごと手に取るように感じられる。不思議で魅力的な作家さんだなあと、読むたびに思います。
そんな熱を帯びた私の読み聞かせに、息子はちょっと気後れしながらも「もう一回」とリクエストしてくれます(笑)。特に『やねうらおばけ』は息子のお気に入りで、読んだ後に一緒に「うんうん、いいよねえ」とニヤニヤした時間は忘れられません。
そして今回の新作『くも』。なんと初挑戦の油彩による作品ですが、その完成度は“初挑戦”とは思えないほど。やっぱり天才だな、とため息が出ます。
「くもと目があったことありますか? わたしはいちどだけあります」というフレーズは、まさにしおたにさんご自身のまなざしのようで、読むたびに「この女の子はしおたにさん本人なんじゃないか」と想像してしまいます。
雲と目が合う──そんな発想はしたことがなかったのに、読んでいるうちにふと空を見上げたくなったり。いつのまにか作品の世界に吸い込まれてしまうんですよね。凧を飛ばして雲に近づこうとする場面には思わずドキッとし、家の前に置かれた凧を見て「きっと雲からのメッセージだ」と想像をふくらませてしまいました。でも同時に「期待はしないでおきます」と言う、その距離感もいい。雲に近づきたい、話してみたい、でも過剰には期待しない──そんな独特の信頼関係を築こうとする姿が愛らしく感じられます。
もちろん5歳の息子も、「あ、雲さんと目があった!」と嬉しそうに話してくれたり、絵本の世界を自分なりに楽しんでいる様子。親子で同じ本を手にしても、響き方や楽しみ方が違うのがおもしろいなあと感じました。
今回も、しおたにワールドに浸れる幸せな読書体験でした。今回は息子の反応をよそに、私が語り出してしまいましたが、新刊を手にできたことそのものが、とても嬉しい出来事でした。
楽天・Amazon・絵本ナビ・読書メーターのレビューより
『くも』は、雲と目が合うという斬新な発想で読者をドキッとさせ、初挑戦の油彩で空と雲のリアリティを描き出しています。
可愛さと不気味さが同居する独特の擬人化表現が印象的で、科学的な説明と詩的な語りが融合した物語は、大人にも新しい空の見方を与えてくれます。
雲と目が合う“発想”が生むドキッとする体験

1ページ目を開いた途端、まさに雲と目が合ったようで心をつかまれました!絵本ナビ
- 「雲と目が合うって感覚、分かる」【読書メーター】
日常の雲を「存在」として意識させる問いかけが、多くの読者の心を動かしています。
油彩表現による空と雲のリアリティ



「まるで写真のようなリアルさ。色の濃淡だけで厚みを表現 楽天/ブクログ
- 「青空や夕暮れ、嵐の空…時間帯ごとの空気感まで伝わる」【楽天/ブクログ】
初挑戦の油彩によって、雲の質感・光・空気感が豊かに描かれています。
可愛らしさと不気味さが同居する独特の擬人化
- 「髪の毛のように見えるデザインが素敵」【読書メーター】
- 「かわいらしさと不気味さが同居している」【楽天/ブクログ】
- 「ちょっとホラーっぽくも見える」【読書メーター】
雲のキャラクター化は賛否あるものの、“忘れられない独自性”として評価されています。
科学と詩が融合した物語性
- 「雲は小さな水や氷の集まりだと説明しつつ、不思議な余韻を残す」【Amazon】
- 「科学的な説明と詩的なつぶやきの融合」【読書メーター】
- 「読むと雲の見え方が変わる」【絵本ナビ】
単なるファンタジーでもなく、科学絵本でもない。両者を往復する独自の語り口が特徴です
こんなときにおすすめ
- 空や自然に興味を持ち始めた子どもと一緒に
- 雲を見上げながら「どんな顔に見える?」と会話が広がります。
- 静かな時間に親子で絵本を楽しみたいとき
- ドキドキする冒険物語ではなく、空を見つめるような穏やかな読書時間に。
- 大人が自分のために絵本を読みたいとき
- 油彩で描かれた空や雲の表情は、眺めるだけで心が落ち着き、日常の景色が変わって見えます。
- 科学と詩のあいだを楽しみたいとき
- 「雲は水や氷の集まり」という事実と、「雲と目が合う」という詩的な発想を行き来できるのが魅力です。
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その子の年齢や気分、読むシーンに合わせて探すと、ぴったりの1冊が見つかります。
- 年齢別:
幼児向け(3〜6歳) | 小学生向け(低・中・高) | 大人も楽しめる - 季節・行事:
通年(オールシーズン) - 読み聞かせシーン:
おやすみ絵本 | プレゼントにおすすめ | 雨の日 | 自然観察・おでかけ後に - 学び:
感情を育てる | 想像力を育てる - 好きなタイプ:
ファンタジー好きに | 自然・アウトドア好きに | 安心感を求める子に
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