葉っぱとそっくり、木の枝と区別がつかない、壁と同じ色になってる……!?
この夏、自然の中で「どこにいるか、わかる?」そんな“かくれんぼ名人”をさがしてみませんか。
山間のコンビニで出会った“名人たち”
この夏、我が家ではふと思い立って、山あいの道をドライブ。
その途中、立ち寄った小さなコンビニの壁に、とっても不思議な生き物たちがいたんです。
木の枝にしか見えない!?ツマキシャチホコ
まるでサクラのような木肌、3cmほどで折れて、断面も薄茶色が見えています。

嵐の日に周りの木々から風に飛ばされ貼り付いたのかと思ったら、よく近づいて見ると、そこには「虫」が張り付いていたのです。


サクラの小枝にそっくり!…だけど、小枝はこんなところに張り付かないから逆に目立ってしまった…笑
木の枝にそっくりに“擬態”している蛾――
自然界では完璧に溶け込んで見えなくなるはずのその姿が、
場所しだいでは逆に目立ってしまうズレもおかしくて、思わず笑ってしまいました。
すぐそばにもう一匹!窓ガラスに溶け込むアマガエル
そしてツマキシャチホコがいる同じ窓の隅では、またもや名人が潜んでいました..。


まるで「わたしは窓ガラスですよ」と言っているみたい!
はじめは白い石の置物にも見えました。
「変わった色のカエルだな」と思って調べてみると――
なんとやっぱりニホンアマガエル!
もしかしたら、ツマキシャチホコを狙っていたのかも..?
じっとして、身を体はピクリひそめて、喉だけがしずかにぷくりぷくりとふくらんで動いていました..
きっと、捕食のタイミングをそっと待っていたのでしょう。



いま考えればあまり騒がないでくれ..と思っていたかもしれませんね!


Σ64 – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1063441による
普段見かけるニホンアマガエルは、こんなふうに鮮やかな黄緑色をしていますが、
実は、30分から1時間ほどかけて、ゆっくりと体の色を変化させることができるそうですよ。



えっ、そんなに時間かけて変わるの?気づかないわけだわ〜



そりゃあ気づかんよ〜。「いつの間にか、おらんようなっとる」レベルじゃ〜。
“擬態”ってなに?


ムラサキシャチホコ。落ち葉か、クルンとまるまった形のような羽をしている。
“擬態”という生き物たちの知恵。
「枯れ葉」や「岩」「ガラス」にまでなりきる彼らの姿に、わたしたちはただ驚くばかりでした。
以前、息子と『図鑑LIVE 昆虫』のDVDを見ていたとき、枯れ葉そっくりの蛾「ムラサキシャチホコ」が登場。
まるで本物の丸まった落ち葉のような姿に、「え〜っ」と声をあげて親子でびっくりしましたが、
「擬態(ぎたい)」とは、生きものが自分の体の色や形を、まわりの環境に似せて、他の生き物の目をごまかすことです。
たとえば――


出典:Olei – Self-published work by Olei, CC BY-SA 3.0、Wikimedia Commonsより


出典:Frank Hennemann – 投稿者自身による著作物, CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons


出典:SeanMack – 投稿者自身による著作物, CC 表示 2.5, Wikimedia Commons より


出典:Olei – Self-published work by Olei, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons より
- 🍃 木の葉に擬態してかくれる「コノハムシ」
- → 本物の葉っぱのように動かずじっとしている。ちょっと風に揺れる姿もリアル!
- 🌿 木の枝と区別がつかない「ナナフシ」
- → 細長い体で枝に擬態。動かないと本当に見つからない…!
- 🪨 岩にそっくりな「オニダルマオコゼ」
- → 海の中の岩のふりをして、近づいた小魚をぱくり。擬態の名ハンター!
- 🍂 枯れ葉になりきる「ミツヅノコノハガエル」
- → 落ち葉にそっくりな体と色で、森の地面にとけこんでいます。
どれも、「見つからないようにする」ための工夫として進化してきた姿なんです。
敵に見つからないように隠れたり、逆にえものに気づかれないようにこっそり近づくためだったり、理由はさまざま。
ちなみに、「周囲に溶け込む」タイプの擬態は「隠蔽(いんぺい)擬態」とも呼ばれています。
自由研究テーマにおすすめ!
「擬態する生き物」をテーマにした自由研究は、観察・撮影・調べもの・まとめ…と、実は学びがぎゅっと詰まった最高の題材なんです。
📸 じっさいに見つけて観察しよう!
身近な自然の中にも、「擬態の達人」は案外たくさんいます。
草むら・木の幹・石のかげ・窓の近くなど、注意深く見てみると「ん?これ何かいる?」という発見があるかもしれません。
写真におさめてから調べてみるのもおすすめ。
Googleレンズなどを使えば、名前の見当がつけやすいですよ。
👇️ Googleレンズの使い方については以前の記事をぜひ参考にしてみてください。


どんな風に”かくれてる”?
見つけた生き物が、どんなふうに周りに溶け込んでいるかをじっくり観察してみてください。
- 体の色が周囲に似てる?
- 形が葉っぱや岩にそっくり?
- 動かずにじっとしている?
- 捕食のときのようすは?
→ こんなチェックポイントをメモすると、自由研究のまとめがしやすくなります!
🔍調べるときの注意点


自然の中には、擬態している生き物の中にも、毒をもっていたり、触ると危険なものがいます。
むやみに触らず、写真におさめるだけにする・調べたら必ず手を洗うなど、安全に気をつけて観察しましょう。
特にカエルや海の生き物は、触るだけで毒が付着する種類が意外と多いんです。



アマガエルやヒキガエルも、体の表面から毒を出すんですよ
だから、もし触ってしまったあとは、目をこすったり、鼻をほじったり、傷口にふれないようにして、すぐに手をしっかり洗いましょう。
また、被害に合うのは人間だけではありません。
生き物によっては人間の手の温度で触られただけで ヤケドしてしまうこともあります。
できるだけそっと見守る――そんな思いやりも、自然観察には大切なことですね。
🟢 補足として
身近な生き物の「危険」や「付き合い方」をあらかじめ知っておきたいときには、
学研の『図鑑LIVE 危険生物』がおすすめです


🟢 あわせてチェック!
カエルの色の変化について、もっとくわしく知りたい方には——
講談社の『MOVE 図鑑 は虫類・両生類』がとってもおすすめです!


小学館の『図鑑NEO両生類・はちゅう類』でもカエルの変色の変化をわかりやすく紹介しています!





色が変わるしくみ、どんなときに変化するのかなど、写真つきでわかりやすく解説されています。
かくれんぼ上手なカエルの秘密、ぜひ調べてみてくださいね!
研究のまとめ方アイデア
安全に観察できたら、見つけた生き物やその擬態のようすを、自由研究としてまとめてみましょう!
- 「どこにいるかわかる?」写真クイズ形式でまとめる
- 見つけた場所、色、背景との違いを図で書きこむ
- 「○○みたいだった!」と自分の言葉で例える
- どんな理由でその擬態が役立っているか、図鑑やネットで調べる
- 調べたこと+自分の気づきをまぜて感想を書く
📌 自由研究としてまとめるなら、実際に見つけた生き物の写真や、図鑑・ネットで調べたことを自分の言葉で整理してみましょう。
擬態する生き物を観察してみよう(無料テンプレート付き)


夏休みの自由研究、何にしようか迷っていませんか?
自然の中には「えっ、葉っぱ!?いや虫だった!」とびっくりするような
“擬態”の名人がたくさんいます。
今回は、そんな「擬態する生き物」をテーマに観察・記録できる
テンプレート(PDF)を用意しました!


\ 👇️ 印刷してすぐ使えるので、お子さんと一緒にぜひご活用ください。 /
まとめ|自然のなかには、びっくりするくらいかくれ上手な生きものがいた!
「えっ!これ葉っぱじゃないの!?」「まさか、岩が魚を食べるなんて…!」
自然の中には、見つからない工夫をこらした“擬態の名人”たちがたくさん。
こうした生き物たちは、敵から身を守ったり、エサをつかまえるために、
体の形や色を変えたり、そっくりな見た目になったりして生きているんです。
観察してみると、まわりとそっくりになっている理由がちゃんとあることに気づくはず。
ぜひ、おうちの近くや図鑑、動画などでも調べてみてくださいね。
テンプレートを使えば、自由研究もかんたんにまとめられます◎
最後に。テンプレートも活用しよう!
今回紹介した「擬態する生き物」観察テンプレートは、
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