子どもと散歩していると、道ばたや庭のすみっこ、公園のフェンスの裏などに、小さくて地味な虫たちがひょっこり顔を出します。
「この虫、なに?」「どこに載ってるの?」
——そう聞かれても、すぐに答えられない虫って、意外と多いんですよね。
派手なチョウやカブトムシなら図鑑でもすぐ見つかりますが、
脚がいっぱいの小さな虫、ピョンと跳ねる緑の虫、丸まるのにダンゴムシじゃないやつ……。
この記事では、わが家の子どもが実際に見つけた「地味だけど気になる虫たち」を、
- どこで見つけたか
- どの図鑑に載っていたか
などとあわせて一覧でご紹介します。
名前がわからない虫を親子でいっしょに調べる時間は、
図鑑を使った家庭学習の第一歩としてもぴったり。
同じように「この虫なに?」と思った方の参考になればうれしいです。🪲 はじめに|その虫、なんて名前?
子どもと散歩をしていると、ちいさな虫たちが目にとまること、ありませんか?
葉っぱのうらにひそんでいたり、土の上をすばやく動いていたり。
いかにも「虫!」という見た目ではなくて、ちょっと地味で目立たない虫たち。
でも、そういう虫に限って、子どもが夢中になったりしますよね。
「この虫、なに?」
「ダンゴムシじゃないけど、丸くなるよ?」
「どの図鑑に載ってる?」
——そうやって、わが家では「わからない虫」をきっかけに、親子で図鑑をひらくようになりました。
🔍 わからない虫は、まずGoogleレンズで調べてみる
見つけた虫の名前がわからないとき、まずはスマホのカメラ機能や【Googleレンズ】で画像検索するようにしています。
ただし、似ている虫が表示されることもあるので、最終的には図鑑で確認するのがわが家のルールです。
\ Googleレンズのくわしい使い方はこちらで紹介しています /
👉 虫の名前の調べ方ガイド|写真やアプリで手早く検索

この「レンズでざっくり調べて→図鑑で確かめる」という流れが、子どもにとっても“自分で見つけて納得する”体験になっていて、学びの定着にもつながっています。
🐜 🔍Googleレンズで出てきた名前を、図鑑でじっくり確認!|季節・場所・図鑑掲載リスト
虫に夢中のわが子が「これなに?」と聞くたびに、写真を撮って調べています。
触っても大丈夫なのか、ゴキブリの仲間じゃないか、においはするのか……気になるポイントはいつも同じ。
この記事では、わが家で実際に出会った虫たちをまとめてご紹介します。
どこで見つけたか、どの図鑑に載っていたかなども記録しているので、同じように気になった方の参考になればうれしいです。
ちなみにあらためて調べ直してみたら、思っていた以上にカメムシのなかまが多くてびっくりしました。

「えっ、これもカメムシ?」という感じで、ちょっと苦手意識もありつつ、図鑑を見てるうちに「なるほど…」と思えることも増えてきました!
🌸春に見つけた虫(3〜5月)
── いちばん多くの虫に出会える季節
寒さがゆるみ、いろんな虫たちが動きはじめる春。新しい命があちこちで見つかる、わくわくの季節です。
ヤマトシジミ
【スライドあり】羽の表側は青色。裏側は白に黒の模様があります。
見た目 | 見つけた時期 | 天気 |
2cm程度 羽の表裏で色が違う | 2025年5月 | 曇りのち雨 /最高気温23℃ |
どこにいた? | 毒はある? | 掲載の図鑑 |
住宅街の植え込みの花 | なし | 学 研 LIVE 小学館 NEO 講談社MOVE 🔗じぶんでよめる こんちゅうずかん |
📝特徴メモ
羽が表と裏でちがいます。幼虫は植物をたべたり、アブラムシのような小型の昆虫を食べたり、分泌液を舐めるものも。アリに口移しでえさをもらう蝶もいるそうです。



写真で見比べるなら学研、季節の違いまで知りたいなら小学館、ぱっと見で分類を確認するなら講談社——って感じじゃの!
オカダンゴムシ





土の中の落ち葉や虫の死骸を食べるけぇ、森がきれいになるんよ。見た目は地味じゃけど、ええ働きしとるんよ〜



テントウムシは危険を感じると足の関節から黄色くて苦い液を出します。触る時はやさしくさわりましょうね。
\ 📚️テントウムシのちがい 3冊の図鑑でくらべたら? /
学研図鑑LIVE | 小学館図鑑NEO | 講談社MOVE | |
種類数の 豊富さ | それ以外の種類は34種類。 | ナミテントウは3柄。それ以外のテントウムシは6種。 | ナミテントウは7柄。それ以外のテントウムシは6種。 | ナミテントウは6柄。
写真の見え方 | 生きたテントウムシを撮影。 目がはっきり見え、柄や足の黄色が鮮やかで動きも感じられる | 全体的に落ち着いた色味 | 黄色い足はやや茶色みがあり、全体的にやや暗めの色調 | 黄色い足がより茶色く見え、
生態の 解説量 | やや小さめの写真・説明でコンパクトにまとまっている | 写真と解説がバランスよく配置され、くっきり見やすい | 2ページにわたる大きな写真と解説で、羽化・越冬・食事の様子などが迫力満点に紹介されている |
詳しくみる | 詳しく見る | 詳しく見る |
ニシキリギリス


見た目 | 見つけた時期 | 天気 |
触覚が長く 後ろ足が長い | 2025年5月 | 曇り一時雨 /最高気温25℃ |
どこにいた? | 毒はある? | 掲載の図鑑 |
歩道のフェンス近く。雑草が少量映えた所。 | なし | 学 研 LIVE |
📝特徴メモ
脚の裏が粘着するのか、昆虫ケースで飼うと元気なうちはケースの横や天井などにも張り付いた。雑食で虫や植物を食べる。成虫の寿命は2〜3ヶ月程度。



自宅で飼っていたときは、きゅうりや玉ねぎ、小松菜や鰹節なども好んで食べてくれました。
※キリギリスの表記では『小学館』『講談社』『じぶんでよめる〜』の3図鑑にも掲載されています。
\ 📚️「ヨモギハムシ」を3冊の図鑑で見比べたら? /



NEOは「飛ばない」という情報があったので、どこかへ逃げる心配が少なそう。飼育のヒントにもなりますね。
孵化直後のキマダラカメムシの幼虫


見た目 | 見つけた時期 | 天気 |
鮮やかなオレンジと黒の模様。カプセルのような卵 | 2025年5月 | 晴れ /最高気温25℃ |
どこにいた? | 毒はある? | 掲載の図鑑 |
公園の 桜の葉の裏 | 毒性はないが刺激をすると幼虫、成虫ともに刺激臭あり。 | 学 研 LIVE |
📝特徴メモ
サクラ類の気を好むカメムシ。成虫は平たい黄まだらな柄が特徴。孵化直後は写真のように集団でしばらく暮らすそうです。
\ 📚️「セマダラコガネ」を3冊の図鑑で比べたら? /



図鑑によって同じ虫でも載せ方はいろいろなんじゃの!
ニレハムシ


見た目 | 見つけた時期 | 天気 |
6mm程度 薄黄色く、触覚が数珠状 | 2025年5月 | 晴れ /最高気温25℃ |
どこにいた? | 毒はある? | 掲載の図鑑 |
公園の葉の上 | なし | 学 研 LIVE |
📝特徴メモ
葉を食べるコウチュウ。ニレやけやきを好んで食べる。
\ 📚️「ソラマメヒゲナガアブラムシ」を3冊の図鑑で見比べたら? /
学研図鑑LIVE | 小学館図鑑NEO | 講談社MOVE | |
生態の説明 | ・夏はメスだけで子どもをどんどん生む ・秋になるとオスが出てきて、たまごをうむ ・「虫こぶ」でくらす種類も紹介 | ・羽のあるものと無いものがいることを、わかりやすく説明「ソラマメヒゲナガアブラムシが幼虫をうむ様子も観察できるよ」と紹介。 くわしい説明はなし。 | ・ナナホシテントウの観察ページに登場。・春夏はメスだけで幼虫を産み、秋には羽のあるオスが出現→交尾して卵を産むと説明。 ただし情報は少なめ | ・アブラムシとアリの共生関係を大きく紹介
写真の特徴 ・構成 | たくさんのアブラムシの写真を、小さくきれいにまとめていて見わけやすい | ・アブラムシの生態は、別のページで紹介。 | ・観察をうながす導入として少しだけ登場。アリとアブラムシの共生を迫力ある写真で解説。自然ドキュメンタリー風の構成が特徴的 |
詳しくみる | 詳しく見る | 詳しく見る |



それぞれ住んでいる場所や食べものの情報がちがうので、図鑑で見比べるとおもしろいの!
ホソヘリカメムシ


☀️ 夏に見つけた虫(6〜8月)
── 大きめ&インパクトのある虫が登場!
この時期は活動量が多いぶん、存在感のある虫たちに出会えるチャンスも増加。
クロカミキリやオニヤンマなど、迫力ある姿に「おぉ!」と声が出た夏でした。
ウメエダシャク
見た目 | 見つけた時期 | 天気 |
アゲハのような黒と白の模様 3cmほど | 2025年6月 | 曇り時々晴れ /最高気温30℃ |
どこにいた? | 毒はある? | 掲載の図鑑 |
公園 | あるが人間の被害はない。 ※毒があるので鳥は食べない。 | 学 研 LIVE |
📝特徴メモ
幼虫はシャクトリムシ。シャクガの仲間。日中にゆっくり飛び回るので子どもでもつかまえやすい。梅や桃の葉を食べる。
🔍 急に出会った虫の正体もすぐ確認!
\ 持ち運びにぴったりなポケット図鑑はこちら /
オサムシ科は、危険を感じると おしりから においの強い液体やガスをふき出します。なかには、すっぱいにおいの高温ガスを出すものもいます。むこうから襲ってくることはないけど、自分からさわらないように気をつけよう。



ミヤマクワガタの成虫は、寿命がおよそ2〜3ヶ月といわれています。
そのためか、日中も活動と休息を細かく繰り返しているようで、昼間観察するとじっとして動かないことも。弱っているように見えて、ただ休んでいるだけということも多いようです。
\ 📚️「ミヤマクワガタ」を3冊の図鑑で見比べたら? /



LIVEはミヤマクワガタの違いまで紹介されとって、見比べるのがおもしろいんよ〜!
クロカミキリ


\ 📚️クロカミキリのちがい 3冊の図鑑でくらべたら? /



クワガタかと思ったら、カミキリムシじゃった!見た目にびっくりするけど、図鑑を見比べると違いがよくわかるんよ〜
ウズラカメムシ


\ 📚️ウズラカメムシのちがい 3冊の図鑑でくらべたら? /



見た目は地味でも、実は子どもを守ったり、仲間と集まったりと忙しい虫。秋になると山間部の家にもおじゃまするらしいけぇ、注意がいるかもね〜
ナガフトヒゲナガゾウムシ


\ 📚️オニヤンマのちがい 3冊の図鑑でくらべたら? /



すーっと飛んでる姿、かっこええじゃろ? 山道で出会えたらラッキーじゃ〜!
🍂 秋に見つけた虫(9〜11月)
── ひっそり暮らす虫を見つける静かな楽しみ
虫が少しずつ減っていく秋。じっと葉のかげにひそむ虫たちに、そっと出会えるシーズンです。
\ 📚️ショウリョウバッタのちがい 3冊の図鑑でくらべたら? /



「チキチキ」なんか「キチキチ」なんか、どっちなんじゃ〜!
……思わずツッコミたくなるけど、図鑑によって表現がちがうのもおもしろいよね。
一番くわしいのは学研LIVE!メスの方がでっかいとか、オンブバッタとの見分け方まで書いとるんよ〜。
\ 📚️トノサマバッタのちがい 3冊の図鑑でくらべたら? /



トノサマバッタ、飛ぶのも鳴くのも迫力じゃけぇ逃げ足が速いんよ!
MOVEの「しりの先が上向きじゃ下向きじゃ」って説明、妙にリアルで笑うたわ〜。耳の場所までわかるなんて、ほんま詳しすぎじゃろ!
\ 📚️オオカマキリのちがい 3冊の図鑑でくらべたら? /



オスのほうが小さくて、交尾中に食べられちゃう話…ほんとに自然界ってドラマチック
❄️ 冬に見つけた虫(12〜2月)
──「まだいたの?」寒さに負けない虫の冬越し
冬でも見かけることのある虫たち。じっとして動かない姿に、「冬ってどう過ごすの?」と調べたくなります。
🔍 最後に…図鑑では見つけられなかった虫も!
この子(↓)、いろんな図鑑で探してみたけれど、ぴったり同じ姿の虫は見つからず……。
もしかすると、ゴミムシダマシの仲間?とも思ったのですが、確信は持てませんでした。


見た目 | 見つけた時期 | 天気 |
足や触覚が赤く体全体は黒くツヤっぽい。 2cm程度。 | 2024年11月 | 晴れ /最高気温23℃ |
どこにいた? | 毒はある? | 掲載の図鑑 |
マンションの壁 | 不明 | なし |
📝特徴メモ
ゴミムシダマシみたいだけれど、図鑑より光沢があるのと背中に筋がないからちょっと自信ありません。他の図鑑でわかりしだい、改めて追記予定です!
でも、「なんだろう?」とじっくり観察して、親子で図鑑をめくった時間はとても楽しく、
“知らない”からこそ生まれる学びがあるんだな、と感じました。



🪲もしこの虫についてご存じの方がいらっしゃったら、ぜひコメントやお問い合わせフォームから教えていただけるとうれしいです!
🧭今回使用した図鑑はこちら
我が家で使っている図鑑です。使った感想も書いたので、図鑑選びの参考にしてもらえたらうれしいです。
- 『学研の図鑑LIVE 昆虫』(学研)
→ 実物写真が豊富でリアル。カミキリムシのページは特に圧巻です!
→ 「ハムシ」などの分類は巻頭のもくじから探すのがおすすめ。 - 『小学館の図鑑NEO 昆虫』(小学館)
→ イラストや写真がバランスよく、標本図のような見やすさが特長。
→ 虫のくらしや観察ポイントも丁寧に解説されています。 - 『講談社の動く図鑑MOVE 昆虫』(講談社)
→ 大きく迫力ある写真が魅力。
→ 羽化や捕食の瞬間など、生態をドラマチックに伝える構成。 - 『じぶんでよめる こんちゅうずかん』(成美堂出版)
→ 写真が大きく、子どもが目で楽しめる構成。
→ 文字索引はないが、分類と写真で探せるので虫のイメージがわきやすいです。
『新版 学研の図鑑LIVE 昆虫』
この図鑑は、実際の生きた虫の写真が使われていて、とてもリアル。
似ている虫を見分けるポイントも書かれているので、「どっちかな?」と迷ったときにとても助かりました。とくにカミキリムシのページでは、長〜い触覚が文字にかかるほど大きく掲載されていて、思わず「おおっ」と声が出ました。索引については、「ハムシ」など大まかな分類名は巻末のさくいんには載っていないため、〇〇科や〇〇系といった特徴がわかったら、巻頭のもくじから調べるのがオススメです。



情報量が多くて、5歳の息子も「ちょっと変わった虫でも、これなら載ってる」と信頼している図鑑です。
\こちらの記事もよく読まれています👀/


『小学館の図鑑NEO 昆虫』
調べやすさがいちばんの特徴。
虫の名前がわからなくても、「カメムシ」「ハムシ」などの分類名が巻末の五十音索引に載っているので、ページを探しやすくなっています。3冊の中でもっとも読みやすいのか、息子も基本的にはこちらをいちばんよく使っています。
紙面は明るく見やすく、種類の違いも写真と図解でわかりやすく説明されているのがうれしいポイント。
また、「ナナホシテントウをさがしてみよう」など、観察につながる特集ページがあるのもNEOならではです。
『講談社の動く図鑑MOVE 昆虫』
迫力ある大きな写真が目を引く一冊。
昆虫の「動き」や「くらし」に注目していて、羽ばたく瞬間や捕食シーンなど、ドラマチックに描かれています。
子どもがパッと開いたページから夢中になれるつくりで、「図鑑が好きじゃなかった子も、これなら読んでくれる」という声も。DVDつきなので、映像で理解を深めたいご家庭にもおすすめです。
『じぶんでよめる こんちゅうずかん』(成美堂出版)
写真が大きくて見やすく、子どもがパッと見て楽しめる構成になっています。
文字による索引がないため、大人が特定の虫を調べたいときは少し不便ですが、写真をじっくり見て読み進めたい子どもにはとても使いやすい印象です。
目次も分類と写真がセットになっており、ゾウムシやオサムシなど、あまり知られていない虫のイメージもわきやすいつくり。
今回アブラムシとしての紹介はなかったものの、テントウムシが好む虫として写真が盛り込まれており、昆虫への興味関心を広げる資料としてもとてもよい1冊でした。
まとめ🐞 思いこみも発見も、図鑑をめくる楽しさから
ある日見つけた小さな蝶。羽の裏が白っぽかったので、「これはウラジロミドリシジミかも?」と調べてみました。
でも、後から『じぶんでよめるこんちゅうずかん』で確認すると、ヤマトシジミの羽の表側には青い色があると知って、
「えっ、じゃあこの子はヤマトシジミだったんだ…!」とびっくり。
図鑑を通して、知らなかったことに気づくって、おもしろいですね。



子どもが見つけた虫を「これなに?」と一緒に調べているうちに、
苦手だったはずの虫に、ちょっとずつ親しみがわいてくる。
図鑑を見比べながら、親子で少しずつ“虫との距離”を縮めていけたらいいなと思っています。