あらすじ
\ この絵本の特徴はこの3つ!/
- 「日本にも恐竜がいた!」が直感的にわかる、日本の恐竜に特化した絵本図鑑
- 文章は少なめで、大型イラスト中心|低学年や読み聞かせでも楽しめる
- 1990年刊ながら、日本の恐竜研究の入口として今も価値のある一冊
日本で発見された恐竜の化石や研究をもとに、
「日本の地にも恐竜が生きていた」という事実を、大きなイラストとやさしい言葉で紹介する絵本図鑑。
フクイリュウをはじめ、おもに北陸地方で発見された恐竜たちを中心に、
当時の日本列島の姿や、恐竜たちの暮らしを想像しながら読み進められる構成になっています。
文章量は控えめで、ページをめくるごとに
「恐竜は外国だけの話じゃない」と実感できる一冊です。
読んで感じたこと

いまでは日本各地で恐竜の発掘が進んでいますが、
この絵本が刊行された1990年ごろは、まだ
「恐竜は日本にはいなかった」と考えられていた時代でした。
そんな中、この本ではすでに
日本で見つかった恐竜化石や、実際の発掘現場の写真まで掲載されており、
当時としてはかなり先進的な内容だったことがわかります。
漫画家であり、恐竜研究家でもあるヒサ・クニヒコさんが、
資料や研究をベースに日本の恐竜をていねいに描いている点にも、
強いこだわりを感じました。
特におもしろいのが、
福井・石川・岐阜にまたがる「手取層(てどりそう)」という地層で恐竜化石が次々と見つかっているという点。
地名だけでなく「地層名」まで示されると、一気にリアリティが増します。
カツヤマリュウはアロサウルス科、
フクイリュウはイグアノドン類。
海外の図鑑で見ていたような恐竜たちが、実は日本の大地にも生きていたという驚きがあります。
当時、日本とアジア大陸は陸続きだったため、
恐竜たちは海を渡るのではなく、陸を伝って行き来していたそうです。
この絵本は、
日本の陸にも海にも確かな恐竜の歴史があることを、
写真とイラストの両方で丁寧に伝えてくれます。
当時と現代を比べてみたら…
この絵本に掲載されていた恐竜化石の発見地図を見てみると、
発刊当時(1990年代)に化石が見つかっていた地域は、わずか “9箇所”。
気になって、現在の図鑑(学研 図鑑LIVE 恐竜)に載っている
最新の恐竜化石発見地図を開いてみると――
なんと “35箇所”!
この30数年で、26箇所も新しい発見地が増えたことになります。
「うちの地域には恐竜なんていなかった」と思っていても、
実はまだ見つかっていないだけで、これから発見される可能性だって十分にありそうです。
恐竜学って、わかっているようで、まだまだ“未知”の世界。
でも、その未知があるからこそ、
「どんな姿だったんだろう」「どこを歩いていたんだろう」
と想像できる――そんなロマンがあると、あらためて感じました。
現在は出版社品切れで手に入れにくい一冊ですが、
恐竜好きにはぜひ読んでほしい絵本図鑑です。
楽天・Amazon・絵本ナビ・読書メーターのレビューより
発売から長い年月が経っているものの、現在は出版社品切れとなっており、
主要な書店・レビューサイトでも感想がほとんど残っていない一冊です。
4つのサイトのうち読書メーターのみレビューがあったのでこの中から、この絵本の魅力をぎゅっと整理しました。
読者の声海外の恐竜図鑑とは違い、日本という身近な土地から恐竜の世界を考えられることが、この本のいちばんの魅力。
北陸の地層や地名を知ることで、「恐竜=遠い昔の外国の話」から一気に現実味を帯びてくる、そんな一冊です。
- 「日本にも恐竜がいた」という事実に驚く声が多い
長い間、日本に恐竜はいなかったと思われていたこと、そしてそれが比較的最近になって分かってきたという歴史的背景が印象に残った、という感想が見られます。 - 北陸地方を中心とした具体的な地名・地層が興味を引く
フクイリュウやカツヤマリュウなど、日本の地名がついた恐竜や、手取層・北谷といった実際の発見地が紹介されている点に、ロマンを感じたという声が多数あります。 - 海外の有名恐竜とつながる系統が意外でおもしろい
日本の恐竜が、アロサウルス類・イグアノドン類・ティラノサウルス類など、海外で知られる恐竜の仲間だと知って驚いたという感想が目立ちます。 - イラストや化石写真があり、子どもにも印象に残りやすい
派手さはないものの、日本らしい素朴なイラストや化石写真があり、5歳前後の子が繰り返し眺めていた、という親目線のレビューもありました。
こんなときにおすすめ
- 「恐竜は日本にはいなかった」と思っている子に、別の視点を届けたいとき
- 恐竜図鑑を読み始める前に、日本の恐竜を知っておきたいとき
- 福井の恐竜博物館や、地層・化石に興味を持ち始めたタイミングで
- 派手さよりも、事実やロマンを大切にした恐竜の本を探しているとき
- 図書館で少し古いけれど“中身のある”恐竜本を手に取ったとき
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