【2歳〜5歳】『おでかけのまえに』レビュー｜出発前の”あるある”に親子で共感が止まらない（1分で読める）

あらすじ

日曜日の朝、ピクニックに出かけることになったあやこ。
お弁当作りや荷造りが進むなか、あやこもお手伝いや身支度を始めますが、
うれしくて気持ちがはやり、なかなか準備は進みません。

おでかけ前のわくわくした時間と、
そんな子どもの気持ちにそっと寄り添う家族の姿を、
やさしい絵で描いた絵本です。

読んで感じたこと

独身のころに思い描いていた子育てと、現実の子育てはずいぶん違いました。
そのことを、いちばん強く感じたのがこの『おでかけのまえに』でした。

「そうね、上手ね」「これしまって、はい、よいしょ」
――出かける前も、穏やかに声をかけながら進められる。
息子が生まれる前は、そんな理想を本気で思い描いていました。

けれど現実は、
オムツ、ミルクの替え、着替えは多めに、おやつに……
気づけば子どもの物ばかりでバッグはパンパン。
その横で、1歳の息子が、入れたそばからていねいに中身を全部出していく。
自分の持ち物を入れ忘れて、気づけばてんやわんや。

子育てをいちばん知らなかった、息子1歳のころ。
正直、もう打ちひしがれていました。

そんなときに出会ったのが、この絵本です。
「ああ、そうそう、これこれ……」
読みながら、心の中で何度も
「え、ちょっと待って、ストップストップ！」
と、あやこちゃんにツッコミを入れていました（笑）。

でもこの絵本のお父さんもお母さんも、
びっくりはするけれど、叱りません。
「もう けっこうよ」
その一言で、やんわりと場面を終わらせるんです。

あの時の私には、到底まねできない。
まさにこれが「大人の対応」でした。

当時の私は、
「子どもはお手伝いしてる、ってことを伝えたいんだろうな……いや、どういうこと？」
と、荷物を出し続ける息子の姿を思い出しながら、心の中でつっこんでました。

それでも息子は、私が何かをしていると、
“そこに関わっていたい”ようで、いつもくっついていました。
可愛いと思う気持ちと、余裕のなさが入り混じる毎日。

それから一年ほど経って、
「ああ、息子にとっては、旅行そのものだけじゃなくて、
準備の時間も含めて全部が“旅”だったのかもしれない」
そう思えるようになりました。

我が家は旅行の機会が多く、
当時は「こらこら、ストップストップ、ありがとうねぇ……」と
疲弊することも多かったですが、
息子が大きくなるにつれて、こちらも少しずつ慣れていきました。

4歳ごろ、この絵本を読んで
「あやこちゃん、困ったね」
なんて言う息子を見て、
「いやいや、それを言うのはどの口ですのん」と
心の中でツッコミを入れながらも、
ああ、お兄ちゃんになったな、と思える時間でした。

この絵本は、
子どもを変えるというより、
親の見え方が、時間とともに変わっていくことを教えてくれる一冊だと感じています。

楽天・Amazon・絵本ナビ・読書メーターのレビューより

4つのサイトのレビューから、この絵本の魅力をぎゅっと整理しました。

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