「まだ目が見えていない赤ちゃんに、どうやって絵本を読んだらいいの?」
そんな疑問をもつママ・パパに向けて、0歳の赤ちゃんにぴったりな読み聞かせの姿勢を月齢別にご紹介します。
0〜2か月ごろ|寝たままでOK!「音」を届ける読み聞かせ

✦ 赤ちゃんの姿勢:寝かせたまま(仰向け)✦ 0〜2か月ごろ|
読み手の姿勢は、寝てる赤ちゃんの横に座って見せるか、顔の近くで絵本を動かすように。
- 赤ちゃんはまだ視力がぼんやり。
- 仰向けで寝ている赤ちゃんの顔の横で、やさしく語りかけるように。
- 絵よりも“声のリズム”や“音”が大事な時期です。
生まれてまもない0〜2か月ごろの赤ちゃんは、まだ視力がはっきりしていません。見えているのは、だいたい20〜30cmほど先の世界。ちょうど、抱っこをしたときにママやパパの顔が見えるくらいの距離です。そんな時期に絵本を読むなんて早いのでは?と思われるかもしれませんが、赤ちゃんはお腹の中にいる頃から耳が聞こえていて、声や音にはとても敏感です。
この時期におすすめの読み聞かせスタイルは、赤ちゃんを仰向けに寝かせたまま、ママやパパがそっと横に座って絵本を見せてあげる方法です。まだ視線は合いづらい時期ですが、顔の近くで絵本を動かしたり、やさしく語りかけるように読むことで、赤ちゃんは音や声のリズム、そしてコントラストの強い絵に少しずつ興味を持ちはじめます。
使う絵本は、白・黒・赤など、コントラストのはっきりしたものがぴったり。たとえば『しましまぐるぐる』や『もいもい』などの赤ちゃん向けファーストブックは、音と色の刺激をたっぷり楽しめる工夫がされています。
大切なのは、「読んで聞かせる」ことにとらわれず、「声を届ける」「いっしょに心地よい時間を過ごす」こと。ページをめくるたびに聞こえる声や、やさしいまなざし、近くにいるぬくもりが、赤ちゃんの安心感につながっていきます。
3〜5か月ごろ|抱っこで安心感+視界に絵本が入るように

✦ 赤ちゃんの姿勢:抱っこ(縦抱き・横抱き)/バウンサーに座らせてもOK ✦ 3〜5か月ごろ
読み手の姿勢は、赤ちゃんと同じ目線になるように工夫すること。
- 縦抱き・横抱きどちらでもOK
- 色や形に少しずつ反応が出てくるころ
- 読み手と赤ちゃんの目線が近くなるよう意識して
3〜5か月ごろになると、赤ちゃんの視力は少しずつ発達してきて、色や形にも興味を持ち始めます。じっと見つめる時間が増えたり、音に反応して笑うようになったり。この頃から「絵本らしさ」を少しずつ感じられるようになる時期です。
おすすめの読み聞かせスタイルは、赤ちゃんを抱っこしたまま読む方法です。縦抱きでも横抱きでも、赤ちゃんが安心していられる姿勢でOK。ママやパパの胸に抱かれたまま、ぬくもりを感じながら聞く声は、赤ちゃんにとってとても心地よいものです。
絵本は、抱っこした状態で赤ちゃんの顔の近く、少し斜め前に見せるようにすると視界に入りやすくなります。声のリズムや音のくり返しが楽しい絵本なら、赤ちゃんの集中もぐんとアップ。たとえば『じゃあじゃあびりびり』や『がたんごとん がたんごとん』など、音がイメージしやすい絵本は、この時期にぴったりです。
また、読んでいるときに赤ちゃんが表情を変えたり、声を出したり、手をのばしたりすることがあります。それは立派な「聞いてるよ!」のサイン。まだじっと聞いてくれなくても大丈夫。赤ちゃんのペースに合わせて、声のトーンを変えたり、絵をゆっくり見せてあげることで、少しずつ絵本の時間が「楽しい時間」へとつながっていきます。
6〜8か月ごろ|ひざの上に座って一緒にページをめくる

✦ 赤ちゃんの姿勢:ひざの上に座らせる(縦抱き・対面)✦ 6〜8か月ごろ
読み手の姿勢は、後ろから包みこむようにして読む
- 手をのばして触ろうとしたり、ページをめくりたがったり
- 対面抱きや横すわりもおすすめ。親子のふれあいも深まります
6〜8か月ごろになると、赤ちゃんは手を使ってものをつかんだり、なめたり、触ったりと、五感をフル活用して世界を知ろうとしはじめます。おすわりが安定してくる子もいて、「絵本を読む」というより、「絵本でいっしょに遊ぶ」という感覚に近づいてきます。
この時期におすすめなのは、ママやパパのおひざに座らせて読むスタイル。赤ちゃんを正面から包むようにして、一緒にページをめくっていくと、安心感と興味の両方が満たされます。手で絵本をさわろうとしたり、口に入れようとするのも、立派な成長の証。厚紙タイプのボードブックや、破れにくい絵本が大活躍します。
読み聞かせでは、「ページをめくる」「音をまねる」などのやりとりを楽しむのがおすすめ。たとえば『きんぎょがにげた』では「どこかな?」「あ、いた!」の声かけが楽しく、『ぴよぴよだあれ?』のような問いかけ絵本も、この時期の赤ちゃんにぴったりです。
このころは、赤ちゃんの「やってみたい」気持ちがぐんと育つ時期。絵本を通して、小さな好奇心をたくさん受けとめてあげましょう。
9〜12か月ごろ|おすわりや動きながらでもOK!自由スタイル

✦ 赤ちゃんの姿勢:ひとりすわり or 自由に動きながら ✦ 9〜12か月ごろ
読み手の姿勢:子どもの近くでゆったり待つ・後追いしながら読むのもOK
- 指差しや声出しなどの反応が増える時期
- 途中でどこかへ行っても大丈夫。戻ってきたらまた読んであげて
9〜12か月ごろになると、つかまり立ちやハイハイが活発になって、赤ちゃんの世界が一気に広がります。集中力も少しずつついてきますが、そのぶん好奇心が勝って、絵本の途中でどこかへ行ってしまうことも。でも、それもぜんぶ成長の一歩です。
この時期は、「ひざに座って読む」スタイルと「自由に動きながら聞く」スタイルを併用してOK。赤ちゃんが自分で近づいてきたり、絵本に手をのばしたりするタイミングを見逃さず、読みたい気持ちを尊重してあげると、自然と「絵本が好き」に近づいていきます。
読んでいるときに指差しをしたり、声を出したり、笑ったりすることもあります。そんなときは、いっしょに「ここにいたね!」「おんなじ音だったね」と共感してあげると、絵本の時間がますます楽しくなります。
このころにおすすめなのは、くり返しが楽しい絵本や、音のリズムが心地いい作品。『だるまさんが』『もこ もこもこ』などは、思わず笑っちゃうような展開で、赤ちゃんの感性をぐんと刺激してくれます。赤ちゃんが絵本から離れても、また戻ってくるのを待ってあげれば大丈夫。絵本はいつでもそこにあるよ、という安心感が、信頼と興味の種になります。
まとめ|0歳の赤ちゃんには、発達に合わせた「心地よい姿勢」で
絵本の読み聞かせに「正解の姿勢」はありません。大切なのは、赤ちゃんと読み手のどちらもが心地よく過ごせること。そして、その心地よさは、赤ちゃんの月齢や発達に合わせて少しずつ変化していきます。
- 0〜3か月ごろは、まだ視覚よりも聴覚がメインの時期。おひざにのせなくても、声をかけたり、そっと顔の近くで絵本を見せたりするだけで、じゅうぶん愛情が伝わります。
- 4〜8か月ごろは、ひざの上やだっこで読み聞かせるのが◎。赤ちゃんの視界に絵本が入りやすくなり、安心感と視覚的な刺激の両方を味わえる時期です。
- 9か月以降になると、赤ちゃん自身が動きながら絵本に近づくようになります。自由な姿勢でOK。赤ちゃんのタイミングやペースに合わせて、無理なく楽しむことが大切です。
読み聞かせは、毎日できなくてもかまいません。ほんの数分でも、声を届けるだけでも、赤ちゃんにとっては大きな栄養です。
その日そのときの赤ちゃんの様子を見ながら、ふたりで絵本時間を少しずつ育てていってくださいね。
\ もっと知りたい方へ|0歳の赤ちゃんにぴったりの絵本はこちら /
「絵本って早すぎる?」と感じがちな0歳の時期。
でも、声や色、スキンシップを通して赤ちゃんの感覚はどんどん育っています。
そんな0歳期に出会ってよかったファーストブックを、こちらの記事でくわしくご紹介しています。
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