あらすじ
主人公は、土の中でじっと暮らしていた「セミくん」。
長い地中生活を経て、いよいよ「こんや」――外の世界に出る日がやってきます。
初めての地上、ドキドキの脱皮、仲間たちとの出会い。
そして短い命の中で、精一杯「自分らしく生きる」こととは何かを、セミくんは教えてくれます。
「こんや」は、ただの日付じゃなくて、彼にとっての人生の幕開けなんです。
読んで感じたこと
私自身、小さい頃に虫や動物をあまり飼ったことがなく、生き物の世界を深く知る機会は多くありませんでした。
けれど、子どもと暮らす中で少しずつ昆虫のことを知るようになり、改めて感じたのが――
彼らの多くは、命を「子孫を残すため」に全うし、静かにその生涯を終えていくということ。
セミはまさにその代表。
土の中で何年も過ごし、地上ではわずか1〜2週間だけ。
その短い時間を力強く、華やかに生きる姿が、この絵本ではあたたかく描かれています。
この絵本と出会ったのは、息子が4歳7ヶ月の夏。
ダンゴムシの飼育に失敗して、それでも虫に少しずつ興味を持ち始めた頃、
「なにか面白そうな本ないかな」と探して、出会いました。
読みながら印象的だったのは、セミの“地上での姿”だけでなく、土の中の生活にも丁寧に目を向けているところ。
部屋にはゲームやパズル、観察中のきのこ、なぞなぞの絵本、かわいらしい蓄音機――
きっと赤ちゃんの頃から過ごしてきた部屋なんだろうなと想像するだけで、なんだか愛おしくて。
息子はその部屋を見て「ここに住みたい」と言っていました。
人間の目に触れない5〜7年の土中生活にも、きちんと“時間”が流れていたんだというリスペクトが、この絵本には込められているように感じます。
そして、そのお部屋とさよならをして、はしごをのぼって地上へ――
その姿には、どこか旅立ちのような清らかさがありました。
それ以来、息子は木を見るたびに「セミいないかなあ」とワクワクしながら探すように。
でも、私の耳にはあの鳴き声が、短い命をふりしぼって歌っているような、胸にこみ上げる音に聞こえるようになりました。
にぎやかな虫たちのお祝いの裏側に、ほんの少しセンチメンタルな空気が流れている。
その“描きすぎない優しさ”が、心に残ります。
きっとこの夏、この絵本は、私にとっても、息子にとっても大切な一冊になったんだと思います。
蝉さんたち、今年の夏も、本当にいい声をありがとう。
楽天・Amazon・絵本ナビ・読書メーターのレビューより
子どもたちの「応援したくなる!」という声と、大人たちの「切なくて胸がいっぱいに…」という感想が多数。
地下の部屋の愛おしさ、地上への旅立ち、仲間の祝福――あたたかい視点で命を見つめるレビューがそろっています。
楽天レビュー
- 「最初は子どもの反応が薄くても、あとから夢中に」
➡ 娘が何度も自分で読むようになったという声や、「さよならおうち、ありがとう」にジーンときたという感動のレビューも。 - 「母にとっても夏の大事な一冊になった」
➡ 夏の虫との出会いを通して、親子の心の成長がリンクするようなレビューが印象的です。「今年のセミの声は、応援に聞こえた」という深い感想も。
Amazonレビュー
- 「セミの羽化を通じて、命の大切さが自然と伝わる」
➡ 土から出てきた“その夜”のドラマが丁寧に描かれ、セミの一生を知らなかった子どもたちも夢中に。絵のやさしさや、実生活とのつながり(抜け殻を見て思い出すなど)も高評価。 - 「土中の暮らしがユーモラスで楽しい」
➡ セミくんの部屋にはゲーム・本・蓄音機などが描かれ、子どもたちが「住みたい!」というほどの世界観。細部まで眺めて楽しめる絵本という声が多数。 - 「絵がかわいくて虫が苦手でも大丈夫」
➡ 虫が得意でない親でも「応援したくなる」「切ないけれど温かい」と共感。文章が少なく小さい子にも読みやすい反面、もう少しボリュームがほしいという声もありました。
レビュー
- 「地下の暮らしを“かわいそう”とするのは人間のエゴかも」
➡ 土の中の生活も“楽しい暮らし”として描いた点に好感を持つ声が多い一方で、「暗い場所=かわいそう」とする視点への問いかけもあり、深い読みが感じられます。 - 「セミくんの“生きてるって うれしいな”の一言に涙」
➡ 絵の美しさと最後の一言に心を打たれたという感想が複数。虫嫌いでも感動したという声もありました。 - 「セミの誕生を応援するような優しい気持ちになれる」
➡ 虫が苦手だった親御さんが「応援したくなる気持ちになった」という感想も。地上の虫たちのやさしい歓迎ムードが温かく、印象に残ったという声多数。
- 「セミくんの部屋が愛おしくて切ない」
➡ 脱皮後に戻ることのない地下の部屋――そこに散らばる服・おもちゃ・本などの“思い出の気配”に胸を打たれる声がとても多く見られました。 - 「祝福の演出が素晴らしい」
➡ 地上の虫たちがパーティーを開く展開や、黒電話で連絡を取り合うユーモアが「心に残る」「楽しい」と大人気。 - 「“いきるって うれしいな”に希望を感じる」
➡ ラストの一言が象徴的だという声が多数。「命の短さを知っている大人は泣ける」「でも子どもは素直に喜ぶ」――そんな視点の違いが浮き彫りになる、感性の広がる絵本として評価されています。 - 「タイトルがとにかくいい!」
➡ “いよいよこんやです”――という、期待と緊張が入り混じるタイトルに惹かれたというレビューも多数寄せられています。
こんなときにおすすめ
- 🌱 夏の季節を感じる絵本を読みたいときに
- 🔍 虫やセミに興味を持ち始めたお子さんに
- 🐛 セミの一生や羽化のしくみをやさしく伝えたいときに
- 👶 幼児〜小学校低学年への命の学びの入り口に
- 🎓 「いのち」や「旅立ち」をテーマに親子で考えたいときに
- 📖 虫が苦手な子でも安心して楽しめる絵本を探しているときに
- 🎁 夏の季節のプレゼント絵本として
シーン別(いつ読む?):
季節別:
夏の絵本
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