Suicaの当たり前を変える?全面刷新の計画が発表とは。
2024/12/10、JR東日本が今後10年をかけてSuicaの当たり前を変える〜Suica Renaissance ~を発表しました。
Suicaといえば、これまでは電車やバスなど乗り物の乗り継ぎの際、suica専用の機器に登録済みのスマホやカードをかざすと非接触で精算が済ませられる「タッチレス化」を実現していました。
これで既に便利だと思っていたのですが今後10年は「ウォークスルー改札」や無人改札での「位置情報を活用した改札」などの導入を目指していくそうなんです。
一気に未来感を出していくような話にちょっとドキドキしてしまいます。「精算機の前でカードやスマホを慌てて探す時代なんて古いよね」っていう会話が今後飛び出てくるのでしょうか。
JR東日本Suicaが、今後「超えてくる点」とは?
1. ICカードでチケットやSFを管理してたものはセンターサーバー化してフル活用。
これまで鉄道利用にはあらかじめSF(ストアードフェア)つまり電子マネーが改札を通ると改札機が精算して記録するというのが典型的なパターンでした。JR東日本が以前からこの方法には問題があると考えていたのはまさに運賃計算を改札機そのもので行っていたことでした。改札機本体の記憶容量に限界があったんです。
そこで、センターサーバーで管理することによって改札機を通してサーバーに計算してもらう方法に切り替えることにしました。あとはこれまで通り、改札機がそのサーバーから受けとった情報をSUICAのタッチで「読込/書込」行うことで本体の負担を軽減して、センターサーバー化に未来をかけたのです。
ユーザー自身の使い勝手はこれまでと変わらず改札に「ピッ」とタッチして改札を通るだけ。
このSUICAにおけるセンターサーバー化は2023年5月から北東北エリアを中心に始め、同年に首都圏・仙台・新潟エリアを夏以降に実施する計画は発表されていたので2024年5月のサーバーダウンもありましたが、この発表をすすめたということはシステムが軌道に乗ったといえます。
センターサーバー化が進めば、センターサーバー管理ができるようになります。それが今回の全面刷新計画のようです。前置きは長くなりましたが、センターサーバー管理型が進むことで、今度は新サービスの可能性が生まれたんです。
よく使う最寄り駅を起点としてサービスが提供される方法です。たとえば、サブスクリプションサービスの登録で毎月3,000円払うことである人がA駅をよく使っているとしたらそこからの移動運賃が半額になったり、駅ビルや買い物をすることで割引券や、鉄道クーポンが配信されるといったサービスが想定されているようです。
定期券の発想だと、A駅からB駅までは一定額で通い放題だけど、今回の発想はA駅からどこへ行っても半額(仮サービスの話ですが)。旅好きな駅ビルユーザーにとっては、どこまでも使い勝手のよいお得サービスになりそうです。
2. これからのSuica(仮名)は、改札で取り出さない?
センターサーバー管理型が実現されると、スマホやカードをタッチレスで改札を通過したり、改札機がない駅での位置情報を活用した改札ができるようです。
車でいうETCレーンのようなイメージですね。
3. 「利用エリアのみ利用可能」は無くなる?
これまでのSuicaは、利用可能エリア内が特定されていて各エリア間をまたがって利用できませんでした。異なるエリアをまたがって使う場合はあらかじめきっぷを買う必要がありました。
しかし、2027 年春頃には、首都圏(長野含む)、仙台、新潟、盛岡、青森、秋田の Suica エリアを統合を予定しているようです。たとえば、これまでSuica で常磐線を上野から仙台まで利用するにはエリアをまたぐために切符をわざわざ買わないとならなかったんです。
でもセンターサーバー管理ができるようになれば、今後Suicaでの往来ができるようになります。
また、現在Suica 未導入エリアの場合、今後はモバイル Suica アプリでこれまでの定期券のように画面表示で利用できる「スマホ定期券(仮称)」が使えるなど東日本の鉄道各社が自由にSuicaで行き来できるようになります。
またエリアの他にも「東京モノレール区間の定期券(通勤定期券)」など他交通事業者の定期券発売サービスも利用されるそう。2026 年春頃には通学定期券への拡大もあるようです。将来的に「位置情報等を活用した改札」が加われば、ますますユーザーの感じる不便さを削ぎ落としてスマートな移動が実現できますね。
4. クレカ連携で事前にチャージ不要?
これまでの事前にチャージ機能に加えて、銀行口座を紐づけてクレジットカードを使った「後払い」ができるようになるようです。
タッチレス通過で「チャージしわすれていたから改札が閉じてしまった」というのも後払いが可能になるとこの問題無くなりますよね。
使ったら使った分だけ後で精算できればカードに付帯するポイントも加算されてお得ですよね。
5. 少額決済のイメージを刷新?
いまのところモバイルSuicaを使っている人ならわかると思いますが、チャージ額が「1,000円」「2,000円」「10,000円」の3種類からしか選べず、チャージ上限額が2万円なので、レジで残額が足りませんという表示に気づいてあわてて1分程度時間をかけてチャージをして決済という手順を踏んでいました。
2026 年秋頃には、モバイル Suica アプリはリニューアルされSuica の上限額(2 万円)を超える
コード決済機能や、電子マネーの受取機能、クーポン機能などさまざまな機能が追加されるそうです。
補足 これはまだ構想段階.. 未来はもっと明るいかも
このほか、JR東日本は「新しいあたりまえを創る」プランが練られています。
マイナンバーカードと連携して、地域内の生活コンテンツやサービスと関連付けたり、
インバウンドに合わせた海外からの来訪者にむけたサービスも開始したり、ほかにもユーザーの生活シーンに合わせたレコメンドや気遣いのサービスなどなど。センターサーバ管理型ってこんなに夢のある生活に変わるの!?というほど、できることがたくさん増えていくようです。
これからの未来は「Suicaがあれば安心」というフレーズがあちこちで聞こえてくるかもしれません。