📘うまれたよ!タコ|櫻井季己

タイトル:うまれたよ!タコ
写真・文:櫻井季己
出版社:岩崎書店
発行日:2019年1月31日
対象年齢:幼児向け,小学校低学年,
ISBN:978-4-265-02076-8

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目次

あらすじ

海のすみっこ、小さな蛸壺の中に、お母さんタコがじっと身をひそめています。
大切な命——10万個のたまごを守るために。

食べることもせず、外を静かに見つめながら、
卵をやさしくなで、水をふきかけて育てつづけるお母さん。
魚が近づいてくると、吸盤で石をもちあげて、
蛸壺の入り口をふさぎ、わが子を守ります。

やがて、赤ちゃんタコが小さな命をひらいて生まれ出ると——
お母さんは、魚に狙われないように、必死に水をふきだして
赤ちゃんたちを遠く、遠くへと送り出します。

そして、夜空の星のように散らばった命を見届けたそのとき、
お母さんは、そっと力尽きるのです。

生まれて、生きて、つながっていく命の物語。
リアルな写真と、やさしい言葉がそっと心にのこる、海の命の写真絵本です。

読んで感じたこと

『うまれたよ!タコ』は、赤ちゃんの誕生だけでなく、命を守り、つなぐためにすべてを捧げるお母さんタコの姿が胸に迫る一冊です。

10万個の卵を産んだあと、お母さんは蛸壺の中で、外をじっと見つめながら、
吸盤でやさしく卵をなで、水をふきかけ、カビや汚れから守り続けます。

外から魚が近づいてくれば、吸盤で石を持ちあげて蛸壺をふさぎ、わが子を守る。
食べることもせず、じっと、静かに、命が生まれるそのときを待つのです。

やがて赤ちゃんタコがふ化すると、お母さんは水をふき出して彼らを遠くへ押しやり、
星のように散らばる小さな命を見届けると、静かに命を終えます。


その日、5歳の息子といっしょに読んでいて、私たちは「え……」と時が止まったようになりました。
たまたま夕ごはんにたこ焼きを食べたあとで、息子はぽつりと「たこさん、ごめんね」と。

「もう食べない」というのではなく、
その命をいただいているんだという実感が、私たちの中に確かに残ったのです。

そして私は、ふと思いました。
だから、日本人は「いただきます」と手を合わせて食べ始めるのかもしれない。
それは感謝やマナーだけでなく、
命をいただいて生きている自分を見つめる、大切なことばなのだと。

楽天・Amazon・絵本ナビ・読書メーターのレビューより

写真が美しく、命の物語に胸を打たれたという声が多く寄せられています。

楽天レビューでは、
「子どもの誕生と共に死んでいく母親の姿に生命の厳しさを感じた」
「写真が思っていた以上に美しかった」と、感動の深さが伝わってきます。

Amazonでは、
「何度も見て覚えたことを話すほど子どもが夢中になった」
「母タコの子育てに絶句。美しくて切ない」「今まで読んだ中で一番のお気に入り」など、
親子で心を揺さぶられる読書体験が多く語られています。

絵本ナビでは、
「母親という存在について改めて考えさせられた」
「蛸壺で生まれた赤ちゃんを守る姿に感動」といった声が。
命をつなぐ“母”の姿に自分を重ねた読者も少なくないようです。

読書メーターでは、
「卵を守り、子を送り出して命を終える母の姿に涙が出た」
「命をいただいていると感じた」「説明は難しいけれど、子どもと一緒に考えた」
「星のように海に広がる赤ちゃんタコの旅立ちが印象的だった」など、
静かに、でも深く心に残った読後感が多く語られていました。

こんなときにおすすめ

  • 海の生きものに興味が出てきた子に
  • 命の誕生や“生きること・死ぬこと”を子どもと一緒に感じたいとき
  • 食卓にのぼる生きものを、ただの「食べ物」としてではなく命として見つめ直したいとき
  • 「いただきます」の意味を、親子で改めて考えたいとき
  • 自然や生きものの世界のリアルを、美しい写真で伝えたいとき
  • 夏の自由研究や、季節のテーマ読みものとして
  • 絵本だけど図鑑っぽいものを探しているご家庭に
  • 育児中の自分自身が「母であること」に少し立ち止まりたくなったときにも

幼児向け 小学校低学年 大人向け SDGs 親子で考える 食育・おやつタイム 自然・科学 図鑑 

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この記事を書いた人

広島在住。O型、水瓶座。釣り好きな夫と、やんちゃな息子との3人暮らし。
年間300冊の絵本を読み聞かせる絵本マニアで、40代の主婦ブロガーです。
広島弁まじりでしゃべる、くつしたキャラの相棒「くつしたん🧦」との掛け合いもお楽しみください🐭×🧦

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