『おちゃのじかんにきたとら』の作者が描いた、亡命の日々。絶版になったこの大切な本を、もう一度子どもたちに届けたい。

こんにちは。管理人のネズミックです。

今回は、ある絵本作家が子ども時代に体験した、ほんとうの物語を紹介します。
その人の名は、ジュディス・カー。あの名作『おちゃのじかんにきたとら』の作者です。

おおらかで、やさしくて、不思議で、でもどこか切ない——
あの絵本の奥にある、知られざる記憶ともうひとつの物語を、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

やさしいトラの絵本に、なぜか胸がざわついた日

『おちゃのじかんにきたとら』は、いかにもイギリスらしい、紅茶の時間に不思議なトラがやってくるというお話です。


ソフィとママはびっくりしながらもトラを歓迎し、紅茶も夕食の材料も、家じゅうの食べ物を全部、彼にふるまってしまいます。とてもやさしく、ユーモラスな一冊です。

でも、読み終わったあと、ほんの少しだけ、胸がざわつきました。
「なんで、こんなにおおらかに受け入れられるの?」
「トラが全部食べちゃったのに、なんで誰も怒らないの?」
「パパの“いいかんがえがあるよ”って、なんであんなに明るく解決してくれるの?」

そして何より、あの夜、ふつうの家庭に突然やってきたトラは——
それきり二度と姿を見せなかったのです。

そのことが、ほんの少しだけ、不思議で、忘れられませんでした。

あの絵本の“おとうさん”に、私はもう一度出会った

ある日、映画『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』を観ました。
主人公は、ベルリンで家族と穏やかに暮らしていた9歳の少女アンナ・ケンパー。1933年、ヒトラーが政権を取るかもしれないという情勢の中、ユダヤ人で演劇批評家だった父に危険が迫り、家族は亡命を決意します。

先の見えない国境の旅。アンナは母と兄とともにスイスへ、そしてパリへと国を移りながら、新しい生活に馴染もうと懸命に生きていきます。
置いてきた思い出の品々、大好きな人との別れ、そして繰り返される“さようなら”。

失ったものは多かったけれど、それでも民族としての誇りや、生きるための正しさは、決して手放さなかった。
そして何よりも印象的だったのは、どんなに苦しい状況にあっても、「子どもの心を守ろうとするおとな」の姿でした。

その時、はっとしました。
このおとうさん、知っている。
『おちゃのじかんにきたとら』で、家じゅうの食べ物がなくなったとき、
「おとうさんにまかせなさい。いいかんがえがあるよ」と言って、
家族をレストランに連れていった、あの頼もしくて、おおらかなおとうさんと、まったく同じだと。

あれは、空想の絵本じゃなかった。
きっとあの絵本には、ジュディス・カー自身が、ほんとうに見てきた世界の欠片がつまっていたのだ——
そんなふうに思えて、胸がいっぱいになりました。

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たくさんの「さようなら」をこえて、それでも前を向いた少女

『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』は、ジュディス・カーが自らの体験をもとに描いた物語です。
彼女はユダヤ系ドイツ人として、ナチスの迫害が広がる前夜に、家族とともに亡命の旅に出ました。まだ9歳の少女でした。

新しい国へ向かうたびに、大切なものと「さようなら」を言わなければなりませんでした。
お気に入りのぬいぐるみ、ハインピーという優しいお手伝いさん、父の友人ユリウス——
彼らとの別れは、子どもの心に深く静かに刻まれていきます。

けれど、この物語にヒトラーは直接出てきません。
悲惨な場面も、暴力も、血もない。
あるのは、“誰かから聞かされる”戦争のこわさ。
「もう戻れないかもしれない」という、子どもなりの不安。
それでも、その日その日を、家族といっしょに懸命に生きる姿です。

そして、この物語で何よりも心に残るのは、お父さんの存在です。
かつて人気評論家だった彼は、ドイツ国内で名指しされ、懸賞金までかけられます。
それでも家族の前では、いつも落ち着きを忘れません。
困窮し、家賃も払えない日々を過ごしても、子どもに「貧しさ」を感じさせないようふるまいます。

「『おちゃのじかんにきたとら』の絵本の“おとうさん”のような人は、ほんとうにいるの?」
そう思っていた私にとって、この映画はその答えをくれました。

それは、空想なんかじゃなかった。
あの優しさは、戦争を生きのびるために、親が子に向けた真実のまなざしだったのです。

絶版になった“ほんとうの物語”を、いまの子どもたちへ

『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』は、現在、日本では絶版となっていて簡単に手に入りません。
私は今回、映画を通してはじめてその物語にふれました。
けれど、本を読んでみたい——ページをめくりながら、あの家族といっしょに旅をしたい。
そう思っても、もう書店には並んでいないのです。

なぜ、この本が絶版になってしまったのかはわかりません。
けれど、「子どもが読める戦争の物語」として、こんなに優しい作品は、きっとほかにありません。

戦争という大きなテーマを、少女のまなざしで見つめながら、
家族の絆や、日々の暮らしの小さな希望を描いてくれる物語。
そして、それが『おちゃのじかんにきたとら』につながっていたことに気づいた今、
私はこの作品を、もっと多くの人に読んでほしいと思うようになりました。

過去に何が起こったかを伝えるだけではなく、
「どんなふうに生きていくのか」を静かに教えてくれる——
そんな一冊だからこそ、いまの子どもたちにも手渡していきたいのです。

あなたの声が、この物語を未来へつなぐ

もし、あなたも『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』の存在を知り、
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この本は、ただの歴史の記録ではありません。
子どもたちに、戦争の悲しみだけでなく、
それを乗り越えようとする家族のやさしさと希望を伝えてくれる貴重な作品です。

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『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』は現在、残念ながら絶版となっており、書店では手に入りません。
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読者の声が一定数集まれば、出版社と著作権者が復刊を検討し、
もう一度子どもたちの手に届けられる可能性が生まれます。

私も、まだ読めていません。だからこそ、届けたいと思います。
この本に込められた、ほんとうの物語を、
未来を生きる子どもたちに読んでほしいから。

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これで完了です!

まとめ

いかがでしたか?

今回は、『おちゃのじかんにきたとら』の作者ジュディス・カーが描いた、亡命の日々。
絶版となってしまった大切な本『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』を、もう一度子どもたちに届けたいという思いでご紹介しました。

作者の人生を知ることで、あの不思議であたたかなトラの物語に、より深い意味が見えてきます。
空想の中にも「現実と向き合いながら希望を選ぶ強さ」が込められていたと気づいたとき、読者の心にもそっと変化が生まれるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

広島在住。O型、水瓶座。釣り好きな夫と、やんちゃな息子との3人暮らし。
年間300冊の絵本を読み聞かせる絵本マニアで、40代の主婦ブロガーです。
広島弁まじりでしゃべる、くつしたキャラの相棒「くつしたん🧦」との掛け合いもお楽しみください🐭×🧦

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