こんにちは、絵本で子育てするママブログのネズミックです🐭📘
今回は、わが家で約3ヶ月間飼育していた「ヤドカリちゃんたち」のお話です。
きっかけは冬の磯で出会った、小さな小さな命。家に連れて帰ってみると、そこには想像以上に奥深くて、かわいらしい“暮らし”がありました。
絵本や動画とあわせて、親子で楽しめるヤドカリの世界をご紹介します。
まずはヤドカリの絵本で情報収集!
ヤドカリを飼い始めたとき、「何を食べるの?」「どう育てるの?」と分からないことだらけでした。
そこで、まずはいくつかの絵本を読んで、ヤドカリの暮らしや食べ物について学びました。
実体験の前に読んでおきたいヤドカリ絵本
『うまれたよ ヤドカリ』(武田 晋一・写真/岩崎書店)
写真絵本で、ヤドカリの誕生から成長までがリアルに描かれています。幼児から小学生まで楽しめる一冊です。

巻末にはさまざまな種類のヤドカリが紹介されていて、わが家でも「うちのヤドカリはどの種類かな?」と子どもと一緒に見比べて楽しみました。


『ちいさないきものくらしとかいかた』(日高敏隆 監修/ひかりのくに)
昆虫や海辺の生きものなど、身近な小さないきものの特徴や育て方を幅広く紹介している本です。自然との向き合い方を考えるきっかけにもなります。



ヤドカリについては、貝を探すようすがイラストで丁寧に描かれていて、子どもにもとても分かりやすい内容でした。


『やどかりのおひっこし』(エリック・カール/偕成社)
ヤドカリの成長とともに繰り返される“引っ越し”を、エリック・カールならではの鮮やかな色彩とダイナミックな構成で描いた名作です。
ユーモラスでありながら自然のしくみを感じられる一冊で、親子で「どうして引っ越しするのかな?」と話しながら楽しめます。


『水のいきもの かいかたそだてかた』(岩波書店)
飼育の実用情報が豊富で、「何を食べる?」「どう育てる?」といった疑問に答えてくれる一冊です。
今回は天然の海水で飼育しましたが、人工海水の作り方も丁寧に解説されていて、とても参考になりました。



海が近いので天然の海水で飼育しましたが、海水の運び込みは重くて大変…。人工海水ができると分かって安心しました。
\絵本を通して感じたこと/
どの絵本もヤドカリの“引っ越し”を通じて、自然や命のつながりに目を向けさせてくれました。
特に『やどかりのおひっこし』は実際の海辺の様子と重なって、子どもも「ほんとにこんなふうに動くのかな?」と楽しそうでした。


我が家で飼い始めたヤドカリ。
上の写真で見つけられますか?
正解はこれ!
しましま模様の、とんがりコーンのような形の貝を背負っているのがヤドカリです。


ヤドカリというと、ずっしりとした貝に身を包み、大きなハサミをもった姿を想像していました。
でも、磯で出会った子たちは、わずか1〜2センチほどの小柄なヤドカリ。



ヤドカリの引越動画も、のちほど紹介しますね。
本や絵本を探しても同じ種類がなかなか載っておらず、はじめは連れてきたあとも正直「飼えるのかな?」と不安でした。
ところが子どもは迷いゼロ!
「連れて帰りたい!」と満面の笑みで抱えてきて、気づけば家の中に小さな海が出現。数えてみるとヤドカリは10匹以上、さらにタニシも数匹混ざっていました。
「ものは経験」と思い直し、ヤドカリさんたちに「ごめんね」と心の中でつぶやきながら、試行錯誤の飼育生活が始まりました。
飼育環境はこんな感じです。👇️
- 海で拾った貝殻をいくつか水槽に入れる(虫かご代わりに使っていた大きめの容器を再利用)
- 海水は現地で汲んできて、週に1回程度交換
- 砂は敷かず、貝殻と水だけ
- エアポンプやヒーターなしで、常温の室内に設置
ヤドカリを捕まえた場所は砂地ではなく、浅い海水の岩礁。
そこで、水槽もできるだけ近い環境になるようにしました。
最初は「大丈夫かな?」と不安でしたが、意外と元気に動き回り、何度か“お引っ越し”する様子も見られました。
そのままにしておくと動かないことも多かったのですが、水槽の水換えや、一日一回そっと揺らしてあげると、たちまち賑やかに動き出す姿が!
「おー!生きてた!」と見入ってしまう瞬間もありました。
ただ、10匹をいっせいに飼っていたこともあり、2匹は弱って死んでしまったのか、あるいは共食いだったのか分かりません。
それでも、みんな同じ場所に集まって暮らしていたので、できるだけ大きな貝を多めに入れて、隠れる場所を作るようにしました。
すべての子が無事に育ったわけではなく、命と向き合うことの難しさも実感。
「知らない」ということは、生きものを飼ううえで責任を伴うのだ——そんなことを深く痛感した出来事でもありました。
ごはん問題|何を食べていたの?
ホームセンターで「ヤドカリのエサってありますか?」と店員さんに聞いてみました。
虫かごに入れたヤドカリたちを見せると、
「このヤドカリですか…?ちょっと分からないですね」と首をかしげられてしまいました。
そこで、お店に置いてあったザリガニ用のエサに「ヤドカリ」と書かれていたので、それを与えてみることに。
\ わが家であげていたエサはこちら 👇️ザリガニ用のエサ(小エビエキス入り)です。/


さらにネットで「ポップコーンを食べるヤドカリもいる」という情報を見つけ、試してみましたが…
わが家の子たちはまったく興味を示さず、結局ふやけて海水に溶けていくだけでした。
キャベツ、ニンジン、ハム、エビの殻……いろいろ試してみましたが、よろこんで集まってくるような様子はなかなか見られません。
結局、3ヶ月間の飼育を通しても、“食べている瞬間”を目撃することは一度もありませんでした。
エサが減るというより、海水にふやけて溶けていき、水が濁る → 新しい海水に入れ替える…その繰り返し。
それでも元気に動き回り、少しずつ大きくなったり個体差も出てきたりしたので、きっと夜中など私たちが見ていない時間に、こっそり食べていたのかも!?
もしかしたら目には見えないけれど、海水に混ざった細かな成分や自然のプランクトンを食べていたのかもしれません。
ヤドカリの貝がら探し|まさかのメルカリ注文体験
ヤドカリが大きくなってきたので、新しい貝殻を用意することに。
「まさか自分がメルカリで巻き貝を探す日がくるとは…!」と笑ってしまいました。
最初は「貝なんてだいたい一緒でしょ」と気軽に注文。ところが届いてみると…



まさかのサイズオーバー!!
うちの小さなヤドカリたちには大きすぎて入れず、結局もう一度サイズを確認して探しなおすことに。
- 「何センチの貝か」を必ずチェックする
- ヤドカリの体長(1〜2cmなら貝殻の口の直径は◯cm程度)を目安に選ぶ



なんでもずぼらじゃだめですね💦
ヤドカリの引越し動画|ぴったりの“おうち”をさがして
個体差はありますが、ヤドカリは自分の体に合わないと感じたら、何度でもお引越しします。
届いた新しい貝殻を水槽に入れてみると……「これはちがうな〜」と出てきたり、「やっぱりこっち!」と何度も選びなおす子も。
その姿がなんとも愛らしく、まるで子どもたちが洋服を試着して選んでいるかのようでした。
🎬 観察動画はこちら 👇
最後は、海へかえしました
この子たちを拾ってきたのは12月。
そこから約3ヶ月、家で一緒に過ごしたあと、海へかえしました。
「ばいばい」「ありがとう」と言いながら、ひとつずつやさしく海へ。
正直、飼い方の“正解”は最後までわからないままでした。
でも、親子でいっしょに考えて、見て、育てて、迷って…。
大きなタンクに海水を汲みに行き、水槽の水を入れ替えた日々。
家の中で、見たこともない海の世界を間近に感じられた日々。
小さないのちと向き合ったこの数ヶ月は、今でも心に残る時間です。
「このまま家に閉じ込めていていいのかな」という迷いもあり、
やがて春を前に、自然に帰すことを選びました。
まとめ|こんな人におすすめの記事です
- ヤドカリを飼ってみたいけど不安な方
- 子どもが「持って帰りたい!」と言ったときにどうするか悩んでいる方
- 生きものとの関わりを絵本や動画とあわせて楽しみたいご家庭
👇️ これからヤドカリを飼おうと思う方は、ぜひ参考にしてみてください。
🐚 これから飼う人のための飼育環境メモ
- 水槽:室内常温/砂なし、水と貝殻のみ
- 海水:現地で汲んだものを使用(週1回交換)
- 貝殻:複数サイズを用意(成長・引越しに備えて)
- ごはん:ザリガニ用のエサ(小エビ入り)などを試すが、食べる様子は未確認
- 動かないとき:水槽を軽く揺らすと活発に動き出すことも
- 隠れ場所:貝を多めに入れて安心できる空間に
※今回は10匹ほど同時に飼育したため、共食いや死因の特定が難しい場面も。多頭飼育には注意も必要です。
「正解がわからなくても、いっしょに考える時間が宝物になる」——そんな思いをこめて、この記事を書きました。ぜひ、お子さんとの“いのちとの出会い”に役立ててもらえたらうれしいです🐚